惚れたら負け─お前のこと好きになった─
放課後になって、委員長に呼ばれていた図書室に向かおうとすると、一ノ瀬くんに腕を掴まれた。


「どこ行くつもり。」


「…図書室。」


「じゃあ、俺も行く。」


「えっ、いや、だって、私は委員長に呼ばれてて…一ノ瀬くんは帰ってもいいのに…」


「俺がいると邪魔?そいつのこと好きなのかよ。」


しゅん…と眉毛を下げる一ノ瀬くん。


んん!?というか、何で先輩の事好きとか…そういうことになる、!?


「邪魔…じゃないよ。でも、委員会だし楽しくないけど、いいの?」


「叶愛がいるだけで楽しい。」


……一ノ瀬くんは何を狙ってるんだろう…
普通じゃない…。


苦笑いをこぼして、私たちは図書室へ向かった。
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