惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「じゃあ、ケーキ屋寄るか。」


「う、うん、ごめんね?」


「全然。」


どうやら一ノ瀬くんはこの辺りに詳しいらしく、迷いを見せることなくケーキ屋さんに連れて行ってくれた。


「叶愛の弟何歳?」


「今日で14歳。」


3歳違いの弟は本当に可愛い。
反抗期というものがまだなのか、いつも優しくしてくれて…


私が言うのもなんだけど、結構顔も整っていると思う。


弟だから苦手なモテ男子という類だったとしても、嫌だとも思わないし…


「そんなに弟のこと好きなんだ。」


ケースに入ったキラキラしたケーキを見ていると、突然一ノ瀬くんに顔を覗かれた。


「うん!大好きっ!」


自然と笑顔になると、一ノ瀬くんは一気に頬を赤らめた。
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