惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「えっ、」


戸惑いながら顔を背けてケーキ屋さんのそとへ出る。


と……


「えっ!?姉ちゃん!?」


「慧(けい)!?」


何故かそこに、弟がいた。


って、待って!?今、私が頭撫でられてるの見られた!?


わわっ、どうしよ…


混乱して頭を抱えると、弟、慧の視線は一ノ瀬くんに移った。


「そいつ誰?」


中2の4月で175cm以上ある高身長の弟は、一ノ瀬くんにも全く怯んでいない。


「叶愛の弟?」


「あ、うん。」


「初めまして。一ノ瀬 煌空です。」


なんか目が笑ってない気がする……。


「へぇー」


慧はそれに眉をひそめると、私を自分の方へと引っ張った。


「早乙女 慧(さおとめ けい)です。姉ちゃんの何だか知りませんけど、俺たちこれから用事あるので失礼します。」



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