惚れたら負け─お前のこと好きになった─
まぁ、…その“姉ちゃん”は俺のものになるんだけど。


俺はそっと叶愛のは反対の方向へ足を動かした。



─それから、時間が過ぎるのは早く、気づけば既に5月に入っていた。


「えーでは、来週、京都へ3泊4日修学旅行へ行きます。」


…この学校は、2年生で5月に行くのか…。
まぁ、ある程度の進学校だし、9月10月は忙しいしな…。


「班は、今の席の班で行ってもらいます。」


そう先生が告げた途端、クラス内はブーイングの嵐だったが、俺は反射的に横を向いた。


「…同じ班…だね?」


俺の視線に気づいて、少し遠慮気味に返事を促す叶愛。


「よろしくな。」


ぎこちなく笑った叶愛はそれからすぐに、前の席の親友に笑顔で話しかけていた。
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