惚れたら負け─お前のこと好きになった─

「ふふっ、」


随分とフレンドリーな人だなぁ…。そんな人に久しぶりに出会ったかも…


「叶愛。何笑ってんの。」


「えっ、あ、一ノ瀬くん。」


「あいつに、今川くんって呼んで欲しいって言われたのか？」


突然何のこと？


「叶愛ちゃんって呼ばれるから、流れで…」


素直にそう言うと、ムスッと唇を小さく尖らせた一ノ瀬くん。


私にはなぜかその様子が可愛く見えてしまった。


「え、ごめんね？」


「じゃあ、煌空って呼んで。」


うぅぅ…そんな無理難題を…


「煌空……くん。」


「はい！そこまで！叶愛で遊ばないでください。」


一ノ瀬くんの名前を呼んだ直後、私と一ノ瀬くんの間に文香ちゃんが入ってきて、事を収めてくれた。