惚れたら負け─お前のこと好きになった─
それから……
チラッと私の隣に座る文香ちゃんに視線を配ってから、私に向かい合うようにして座った。


そしてニコッと私に王子スマイルを向けた。


…みんなにやってるの…??


でも、ずるい……顔だけは…無駄にイケメンすぎる……。


「叶愛ちゃん、一ノ瀬、何で見つめあってんの。」


そこに登場して、流れるように一ノ瀬くんの隣に座った今川くん。


「えっ、!?見つめ合ってなんかないよ!!」


「え〜、じゃあ一ノ瀬が一方的に?」


意地悪く、口角を上げる今川くん。


「今川、く……」


「うるせぇ。」


私が今川くんの名前を呼ぼうとした時、突然、地をはうような声が響いた。


「えっ、……」


一ノ瀬くん……??
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