惚れたら負け─お前のこと好きになった─
不安げに首を傾げると、一ノ瀬くんは不機嫌そうにぷいっと、横を向いて、頬ずえをついてしまった。


「一ノ瀬くん……?」


何で…怒らせるようなことしたかな…。さっきまで機嫌よかったのに…。


「叶愛、気にしないでいいよ。」


文香ちゃんが私にしか聞こえない声量で声をかけてくれる。


「…でも…」


京都着いたら、機嫌治るといいな…。


そっと、心の中で願っておいた。



そうして……新幹線に揺られ…


「京都っ!」


「着物着てる人多いね!!」


文香ちゃんは大興奮な様子。可愛いなぁ…。


集合がかかって、集まると、1日目は清水寺とか、伝統のある場所へ向かった。


「叶愛っ!!旅館、同じ部屋だね!」


「うん!」


旅館は1部屋6人。私と文香ちゃんとあともう4人はこのクラスで女王的存在の、女の子と、その取り巻きにいる子達。
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