惚れたら負け─お前のこと好きになった─
さすが……芸能人顔負けの最強イケメンさん…。


「そ。でも、今川に可愛いって言われて照れてただろ。」


え!?怒ってたのってそんなこと……?


「それは……誰が相手でも可愛いなんていわれたら照れるよ……。」


「俺は…可愛いなんて、いつも思ってる。」


グイッと私の方に顔を近づけた一ノ瀬くん。


「っっ!?」


本当……心臓に悪い…。


「ふっ、」


一ノ瀬くんから笑い声が漏れて、顔を見れば、一ノ瀬くんは満足そうな表情を浮かべていた。


「叶愛、メッセージきてないか?」


あ、慌ててスマホの画面を明るくすると、文香ちゃんから、沢山の連絡が来ていた。


「着物のお店の前にいるって。」


「了解。戻るぞ。」


ん、と手を差し出されて、一瞬手を重ねようとしたけど、過去の事がフラッシュバックしたせいか、私は手を引っ込めた。
< 61 / 176 >

この作品をシェア

pagetop