惚れたら負け─お前のこと好きになった─
ブルっと身体が震えだす。


私は…このまま一ノ瀬くんに甘えていいの…??


私は弱いから…また同じようなことがあったら、次こそ耐えられない。


でも、この状況で、助けて貰っておいてそれは失礼だろうか…。


でも、1度、落ち着く時間が欲しい。


私は、一ノ瀬くんから体を離して、そっとその目を見つめた。


「一ノ瀬くん、少しの間、私と関わらないでほしい。」


はっきりと伝えると、一ノ瀬くんの瞳が一瞬、揺れたけど、すぐに納得したように頷いた。


「そうだよな。分かった。」


「ごめっ、」


「でも、叶愛の気持ちの整理がついたら教えて。そしたら、全力で奪いにいくから。」


「何を…?」


首を傾げてみせると、一ノ瀬くんは私の目元を手で覆った。


「いつか分かる。」


そんなふうに言って…。
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