惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「それとも…まだ不安?これ以上何かあるんじゃないかって思ってる?」


「……う、ん。」


「…叶愛、ごめんね本当に。私、そばにいなくて…」


文香ちゃんがあの事件のことで私に謝るのは、これで何回目だろう……。


文香ちゃんは何も悪くないのに。1人にしちゃったって、申し訳なさそうな表情を浮かべる。


私だって、大好きな文香ちゃんにこんな表情をさせたくない。


「謝らないで…」


「う、うん。」


「文香ちゃん…」


「でもっ、叶愛には幸せになって欲しいっ!きっと、一ノ瀬くんなら大丈夫!守ってくれるよ!守らなかったら私が引っぱたく!」


引っぱたくって…文香ちゃん、ちょっと危ない…。


好きっていう気持ちは分からないけど、私…もっと、一ノ瀬くんのこと知りたい。
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