これを溺愛だとは認めない!
「たま!!」
名前を呼ぶと、たまが振り向く。
その表情は前より柔らかに見えた。
「たま、一緒に飯食おうぜ!!」
「はい……」
へっ!?
たまが、俺の飯の誘いを受け入れてくれた?
想像もしていなかった出来事に、目が点になってしまう。
「たま……。お前、素直だな__」
そう言葉にしたら、たまは悩んだ表情を浮かべた。
話題を変えなければいけない__
「たまは、何飲む?」
「烏龍茶かな?」
自動販売機にお金を入れ、烏龍茶のボタンを押す。
出て来た紙パックの烏龍茶を手に取り、たまに手渡した。
「これ、飲めよ」
「ありがとう……」
「これくらい、お礼なんて要らないよ!」
「そ、そんな訳にいきません!!」
ムキになるたま。
この瞬間が幸せ過ぎて、自然と笑顔になってしまう。