気だるげオオカミの不器用ないじわる
「新谷くんが意味不明すぎるから、気になるんじゃん…」
はじめから印象は最悪で、関わりたくないのに、嫌われるのいやかもとか言ってくるし、ちょくちょく構ってきて、いろんな新谷くん見すぎて、わかんなくなる。
「……なんだそれ、めちゃくちゃだな」
めちゃくちゃなのは、新谷くんだ。
半分くらいしか開いてない目。
青白い唇。
今だって、まだ具合悪いはずなのに、なんてことないように、ヘラヘラしてる。
「……びしょ濡れになった日は、あったかくして安静にするのが基本じゃん。どうせ、新谷くんのことだからシャワーだけで済ませて、そのへんで寝て、起きたんでしょ。周りに対して適当なのは知らないけど、自己管理くらいちゃんとしてよ…」
ぜんぶ、どーでもいいよ。
そういう新谷くんを見てると、ムカついてしょうがない。
「素直じゃないねぇ、沙葉は」
真面目に忠告してあげたのに、新谷くんは、また笑ってる。