気だるげオオカミの不器用ないじわる

いつになく真剣につくってくれているのを見て、やめてよと言うのはさすがに諦めた。



「俺ばっか見ててもいーけど、終わんねぇよ?」

「見てませんー!」


わたしは運ばれていくパーツを見てたのに、ちら、と目線を上げた新谷くんが意地悪くバカにしてくる。

てっきり、こういう系は苦手かと思ってたのに、新谷くんの方が手際がよくて、若干くやしい。




「うわ、朝浦さん、もうできたの?」

「まーね」



彼方くんの感心するような声に振り向くと、隣でネックレスを完成させたサナちゃんが、上出来、と微笑んでいた。



「すごい、きれい…」

「でしょ?」

「いーな、上手にできて」


まだ制作途中の指輪は、色が決まらず地味になってきている。

どうしよう…。
< 131 / 321 >

この作品をシェア

pagetop