気だるげオオカミの不器用ないじわる
いつになく真剣につくってくれているのを見て、やめてよと言うのはさすがに諦めた。
「俺ばっか見ててもいーけど、終わんねぇよ?」
「見てませんー!」
わたしは運ばれていくパーツを見てたのに、ちら、と目線を上げた新谷くんが意地悪くバカにしてくる。
てっきり、こういう系は苦手かと思ってたのに、新谷くんの方が手際がよくて、若干くやしい。
「うわ、朝浦さん、もうできたの?」
「まーね」
彼方くんの感心するような声に振り向くと、隣でネックレスを完成させたサナちゃんが、上出来、と微笑んでいた。
「すごい、きれい…」
「でしょ?」
「いーな、上手にできて」
まだ制作途中の指輪は、色が決まらず地味になってきている。
どうしよう…。