気だるげオオカミの不器用ないじわる


「委員会、ぶりだよね」

「うん。俺、まあまあ寝ちゃったりしてたからさ、沙葉ちゃんが資料見せてくれたり、説明してくれたりするの、助かってたんだー」

「そ、そんなこと…」



そうだった。
運良く彼方くんの隣に座れた日は、眠そうな彼方くんに資料見せてあげたりしてた。


思い返しながら、だらける口元を横に伸ばしまくっていたわたしだけど、




「なに、おまえら、知り合い?」



横からの発言に、ふと我に返る。


そ、そういえば、彼方くん……新谷くんに、同じクラスになれてよかったとか、なんとか、言ってなかった?



「俺ら、1年の3学期の時、保健委員同士で仲良くなったんだ」



笑顔でそう話す彼方くんに、おそるおそる聞いてみる。



「あの、彼方くん…」

「うん?」

「彼方くんと"しんたに"(新谷)くんって、どういう……?」



「……しんたに、?」


「え?」
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