気だるげオオカミの不器用ないじわる
やばい、動かなきゃと思った次の瞬間、寸前まできていた新谷くんの顔が横に逸れて──
「……あっぶな、また嫌われるとこだった」
わたしの肩に埋まった。
「え…?」
今、なんて……?
ていうか、ありがとうって言っただけなのに、なんでこんな状態に…?
「お、重いんだけど」
離れてもらうために二の腕を軽く押すと、正気に戻ったのか、今度は簡単にどいてくれた。
「っ、いた」
と、思ったら、ペシとおでこを小突かれて。
「なにするの!?」
叩かれたところをさすりながら新谷くんを睨むと、なぜかまた、ふっと笑われる。