気だるげオオカミの不器用ないじわる
「俺が誰にでも優しくすると思ってんなら、考えなおした方がいーかもね?」
こっちの疑問なんか置き去りにして、最後までわけわかんないことを言う。
なんで、わたし、押し倒されたの?
……それに、さっき、またキスされそうになった…?
かと思ったら、されなかったし…
って、これじゃあ、まるでわたしがキスされたかったって思ってるみたいじゃん。
ちがう、ちがう。
胸に残る居心地の悪いドキドキを抑えるように首を振る。
理解不能すぎる言動を思い返して、無理矢理出した答えは、
────やっぱり、新谷くんはオオカミなんだ…………だった。