気だるげオオカミの不器用ないじわる
ひねくれもの、新谷くん
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いろいろあった修学旅行が終わって、みんなの仲も前よりは深まったみたいだった。
空気感というか、距離感というか、そういうものから親しくなったかんじがする。
サナちゃんにはたくさん心配をかけたから、事情を話して謝った。
帰った日は、真っ先にお父さんのとこに駆けつけたけど、電話の通り、ほんとにぴんぴんしてた。
右足に包帯が巻いてあるっていうのに、呑気に笑って好物のりんごを買ってくるようねだってきたり、わりといつものお父さんを見て安心した。
安静にしていれば、問題なく退院できるらしい。
一方で彼方くんとは、遊園地で約束していたあの日以来まともに話せていない。
苗村さんとの一件のあと、彼方くんは観覧車付近でわたしを探していたらしい。
結局ホテルに戻ってきてから、時間通り行けなくてごめんと謝られたけど、逆に申し訳なく思ってしまった。
わたしだってなにも告げずにホテルに戻ったわけだし。それに、彼方くんはなにも悪くない。
困っていた苗村さんを助けてただけ。
あーあ……今日、どんな顔して彼方くんに会えばいいんだろう…。
小さく肩を落としながら、見えてきた昇降口に入る。