気だるげオオカミの不器用ないじわる
理解不能、新谷くん
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新谷くんはやっぱり、オオカミだったらしい。
新しいクラスになって、まだそれほど経ってもいないのに、今朝、もうさっそく女子とイチャイチャしていた。
少女漫画で見るような、壁ドンとやらも、新谷くんがやっていると色気増し増しで、わたしは見ちゃいけないものを見てしまったかのように目を逸らす。
…いや、なんでわたしが逸らすの?
そっちがもうちょっと場所を選んでやってよね。
そう思ったけれど、なにも言わずに通り過ぎた。
すれ違う瞬間、男子にしては長い髪の隙間から新谷くんと目が合った気がしたけど、たぶん気のせいだろう。
とりあえず、新谷くんとの唇の接触事件なんてさっさと忘れよう。
そう言い聞かせながら、午前の授業をやり過ごした。