気だるげオオカミの不器用ないじわる
不器用温度、新谷くん





新谷くんがミョーにやさしくて居心地が悪かった日から1週間。もはや、休日の日曜日ですらドキッとしてしまった自分が浮かんできて、なんなんだ、という気分に襲われる。
せっかくの日曜アニメもあんまり楽しめなかったから、とっても残念。

それに、普通に家まで送ってくれたけど、よく考えたら足を怪我してたわけで。少し悪い気がして翌日、無事に帰れたのか聞くと、もう治ったなんて100パーセント嘘の回答が返ってきた。


だいたい、新谷くんのテンション変化は意味がわからない。
さっきまで無表情だったのに急に優しく笑ったり、その逆もあったり。


この間だって、わざわざ引き止めてありがとうなんて言うからびっくりした、それも立て続けに。

あんなふうに笑いかけてお礼を言われたら誰しもドキドキするものなのか。


……かわいーよとか、あの発言も、いったいどういうつもりなのか。
そもそも、ほかの子にはどう接してるんだろうなんて、普段は考えないことが頭をよぎる。




………なにしてんの、わたし。


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