気だるげオオカミの不器用ないじわる
「ごめん、おまたせ…!」
走ってきたから息が苦しい。
膝に手を置きながら、ゼェハァ言っているわたしをサナちゃんがキョトンとした目で見ていた。
「どしたの、今日は」
「ちょっと、っ…睡眠不足に、呪われて…」
「…意味わかんないけど、とりあえず深呼吸しな」
「うん」
言われたとおり、空気をいっぱい吸い込む。
「っほ、ごほ…っ」
「あーもう、大丈夫?」
だけど勢い余って鼻の奥がキーンと痛み、むせてしまった。
サナちゃんが背中をさすってくれる。
「…ありがと、もう平気」
なんとか呼吸を取り戻したわたしは、時々ため息を吐きながら、サナちゃんに悩みを打ち明けた。