気だるげオオカミの不器用ないじわる
慣れない2階の廊下を歩いて新しい教室に入ると、席はちらほら埋まっていた。
わたしとサナちゃんは黒板の貼り紙で自分の席を確認する。
「うわ、やっぱりね。私、後ろの方だ。沙葉と離れたー、最悪」
最初は、思った通り出席番号順らしい。
サナちゃんとは遠くなってしまった。悲しい。
「席替えに期待しよう」
「そうね。それより、さすがにこれ窮屈だから、荷物整理してくるね」
美術部のサナちゃんは、日頃から絵の具やらパレットやら荷物が多い。
後ろのロッカーに入れてくると言ったサナちゃんにわかったと頷いて、わたしも自分の席についた。
「…ふぅ」
イスに座ると、一気に力が抜ける。
家から学校までの距離は少し遠いし、今日は新しいクラスになるから余計にそわそわして、朝から無意識に疲れてたんだ、絶対そう。