醒めるな、甘酔い
はやる気持ちはそのままに、とりあえずは呉羽の買ってきたうどんを食べることにした。
「ビールも開けるね」
慣れた手つきでプシュッと音を鳴らす呉羽を見つめる。
20歳を迎えてから2人で飲むことは多くはなかったが、少なくもなかった。
あの夜の酒の度数の高さが例外だっただけで。
だから、あれからも変わらず酒はこうやって時々飲んでいる。
ふたりで他愛ない話をしながら15分くらい経った頃、棚にしまってあるつまみを持ってこようとふと、目線を奥に走らせた。
「……」
その瞬間、目に入ったのは、さっきは気づかなかった紙袋。
『present for you』と書かれたそれに、昼間の会話が結びつく。
…最悪だ。
「…あのさ、壱成、」
「おまえさ、なんでここに来た?」
「え?」
「俺に相談すれば、アドバイスでもくれるだろうって?」
「なん…の、こと…?」