ちひろくんの隠れ愛
アンリーズナブル
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太陽が少し熱を上げはじめたお昼過ぎ。
休憩時間になったから廊下に出てみれば、見慣れた光景にいつもながら圧倒された。
「うわ、相変わらずの人気」
「…そうだね」
友達のユカちゃんと苦笑いで目を合わせる。
「あのね、数学わからなくて」
「ノート忘れたから貸してほしいの!」
「良かったら、連絡先とか…」
隣のクラス、真ん中くらいの席。
注目の的になっているのは、うるさ…と文句を発しただけで、きゃーって歓声をつくりあげている1人の男子。
柚飴(ゆあめ)ちひろくん。
度を越してるほどの超絶美形男子。
「ね、今、うるさって言ったよね?」
「うん、そう聞こえた」
席の周りが人で埋まるくらいなのに、当の本人は意外と冷めてる。
まぁ、そういうところも女子からは好かれてるらしいけど。
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