ちひろくんの隠れ愛
きっと、もう、逃げたくない




*


*



翌日、寝起きは良くはなかった。

あんまり寝れなかったせいで授業中はうとうとしちゃうし、気づいたらへにゃへにゃになってる字書いてるし。

それでもお母さんが愛情込めてつくってくれたお弁当はおいしかった。



午後の授業はなんとか頑張れたし、眠気もいい感じに落ちついてきて晴れやかな気分だったのに。


今は……



『来ないと桃瀬さんとは絶交だからねー』



数分前に落とされた、キラキラスマイルの流川くんの発言に悩まされている。


絶交だなんて言っておいて、くすくす笑ってる彼からは、ちひろくんとはまた別の有無を言わせないなにかを感じた。


そもそも、わたしと流川くんは、友達なのかな?


根本的な疑問を抱きながらも、あそこまで言われて行かないわけにはいかず、約束の時間に間に合うように学校を出た。






すぐに見えてきたカラオケ店に入ると、聞かされていた部屋番号を受付の人に伝えて奥に進む。


き、緊張してきた…。
よく考えたら、流川くんの誕生日を祝うんだから、わたし以外にもたくさん人がいるじゃん、絶対。どうしよう、入りずらかったら嫌だなぁ…。
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