妖怪の妻になりました
「多分、青行燈も人間と同じような体になってるんじゃないかな? 人と結ばれた妖は大抵そうするからね」
「はは、そう語ってる烏天狗の兄さんには子供どころか嫁もいないけど」
「余計なこと言わなくていいんだよ、九尾。というか、それはお前もだろ」
「あー、これは痛いとこつかれましたわぁ」
「……」

 へらりと笑う九尾さんと、肘の辺りで彼を小突く烏天狗さん。この二人の雰囲気にはすぐに置いてけぼりにされてしまう。

 すると、ため息をついて烏天狗さんが話を進めた。

「とにかく、子をもうけるなら早い方がいいんじゃない? 今の君は妖の嫁としては仮初の状態だからね」
「かりそめ?」
「そうそう。まだアンタはただの人、妖の世界に馴染んだわけじゃない。こっちのもん食べたりすりゃ、ジワジワと染まってくけど」

 九尾さんが補足した。
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