犬系男子が可愛くてたまりません
夏から話してないし何を話していいかわからない、前は普通に話せたのに……
夏も冷たくしちゃって悪かったと思うし
「何かさ……」
「ん?」
「俺が気持ち伝えたことで気まずいならもう忘れて前みたいに戻りたい……」
「あっ……」
智也も気まずいと思ってたんだ
「真由香と幼なじみっていうのは一生変わらないし、真由香の夢を諦めさせるつもりもない……
俺といたら確かに教師は難しい
私立じゃないから異動はあることだし、俺は真由香を支える事は出来ない
俺が出来るのは新鮮な魚と美味しい干物を食べさせてあげることだけだ
地元からは離れられねぇ」
「智也も立派な仕事してるよ、干物送ってや」
「ああ、悔しいけどあいつの分も送ってやる」
「あいつって、年上だよ、亮介さんは」
「すかした都会っ子だよ、ふん!
ベンツなんかあの若さで乗りやがって」
「お父さんのお古って言ってたよ(笑)」
「最後にさ俺の夢叶えさせて欲しい」
「最後って、帰らないわけじゃないよ?」
「真由香をハグしたい」
「1度したよね(笑)友達が転校しちゃって泣いた時に」
「ああ……その時に真由香を守りたいって思ったんだ、でも無理だから」
「わかった」
真由香はベッドに腰掛けた
隣に智也も座る
仕事で鍛えられた太い腕がゆっくりと回された
「智也、ありがとう、好きになってくれて、これからも幼なじみだよ」
「……うん」
ギュッと力が入るのがわかった
はーという小さな吐息が聞こえると力が緩んだ
「飲み物買ってくる」
部屋から出ていった
智也、泣いてた?
真由香も悲しくなった
でも亮介さんが好きなの……
昼休みになったら電話しようと思った