犬系男子が可愛くてたまりません
「あっ、バイトもありがとうございました」
真由香は思い出して父親にお礼を言った
「いや、こっちも助かるよ」
「僕も夏休みは塾でバイトするんだよ」
「え?何でバイトのOKの電話の時に言ってくれなかったんですか?」
「忘れてた(笑)」
「そういうとこよ、亮介
うちの男達は事後報告が多いから真由香さんも覚悟しててね」
「はい(笑)」
「亮介にちゃんと言ってね」
「年下なんで、どこまで言っていいのか迷うとこなんですけど……」
「私もお父さんと4つ違うわよ」
「お母さんには頭が上がらないね」
「お2人はどういう出会いだったんですか?」
「あっ、私も聞いたことないかも」
穂乃香も知らないんだ
「私の家庭教師だったの」
「あれ?バスケでじゃないの?」
「バスケはやってたけど、お互い部活でやってたり、社会人なってから友達と集まってやったりね」
「そっか4つ違いなら学校ダブらないもんな」
「大学受験を見据えて田口塾の個人授業に部活を引退してから通い始めたのよ
そこでお父さんが夏期講習でバイトに入ってて私の先生についてくれたの」
「大学受験でバイトに任す?」
「お父さん、結構いい大学なのよ(笑)」
「夏休みに帰省してバイトしてたなぁ」
「父さん、生徒に手だしたんだ(笑)」
「いや、卒業してからだよ」
「半年ほどじゃないか」
「お兄ちゃんだって2週間じゃん」
真由香は恥ずかしくなって下を向く
「2週間じゃないよ、一目惚れだよ!」
「もう……亮介さん、恥ずかしいからやめてください」
真由香は亮介の服を引っ張った
「真由香、私の部屋へ行こう」
穂乃香が助け舟を出してくれた
「うん……ちょっと失礼します」
2人が席を立った