幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

ルキ君と古谷さんの逃走でその日のロケは中止になった。

ルキ君たちを捜すスタッフさんを尻目に私は二人と連絡を取り合い、落ち合った。
二人は私達の居た会議室に潜伏していた。

「ゴメンなさい…ルキ」

「泣くなよ…樹里」

「だって…」

「ルキ君」

古谷さんは泣きじゃくり、ルキの腕の中で泣いていた。

「・・・あ…結さん…皆の様子はどう？」

「・・・皆…ルキ君のコト捜していますよ…」

「だよな」

ルキ君は嘆息して、前髪を掻きむしる。

「樹里が女だって周囲にバレてしまった。樹里は俺のマネジャーから降ろされるだろうな」

「ルキ君…」

「『ギャラクシー』に移籍した際、俺のマネジャーは樹里しか居ないと父に推した。
でも、それは条件付きだった。決して周りに樹里が女だってバレないコト。今まで、バレなかっただけでも奇跡だ。樹里は良くここまで男性を演じてくれた」

「ルキ…」

「泣き止んだか？樹里…俺はスタッフさん達に謝罪して来る。お前は此処に居てくれ」

「本当にゴメンなさい」

「いいよ…結さん…樹里を任せていいかな？」

「あ、うん…任せて」