幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
精算を終え、通りに出た。

朝一番に来院したが、時刻はもう昼下がり、銀座のメインストリートに出ると沢山の人が往来していた。

「銀座に来たの…久しぶりだな」

「そうね…」

「メシ、何食う?」

「鰻重が食べたい気分ね…」

「鰻か…別にいいけど…」

「祐斗?」

一人の女性が祐斗を呼ぶ。

「由香子?」

こんなにも大勢の人が行き交う中。

祐斗は知り合いに出くわした。

「誰よ…祐斗」

男性ならともかく、笑顔でスルーするけど、相手は若い女性。
それも『帝和銀行』の行員の制服を着ていた。
「大学の同級生と言うか…」

「木村由香子(キムラユカコ)です」

「木村?えっ?由香子、結婚したのか?」

「…祐斗だって同じでしょ?その薬指にマリッジリングしてるじゃない」

「あ…」

大学の同級生と言うが、祐斗の慌てた態度。タダの同級生ではなさそうだ。

< 119 / 196 >

この作品をシェア

pagetop