幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
「貴方…「ジャパンエアホース」の令嬢だったの?」

支配人が去った途端、由香子さんは慌てた様子で口を開いた。

「まぁ…」

私は彼女にそう返して、グラスの水を飲んだ。

「祐斗は玉の輿に乗ったのね…」

傍から見ればそうなる。

でも、祐斗自身は野心を持って玉の輿に乗ったワケじゃない。
彼は私自身を見ていた。

「貴方が私に話したいコトって何かしら?」

「・・・私…祐斗の子を身ごもったコトあるの」

―――祐斗…由香子さんを妊娠させたの?


彼女の言葉に狼狽した。

「でも・・・当時お互い学生だったし…泣く泣く中絶した。
その中絶した産婦人科医院の処置が悪くて…それが原因で不妊症になったのよ…」

遠回しに、自分が不妊症を患っているのは祐斗のせいだと言っていた。

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