幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

「・・・ドバイに居る良斗には報告したのか？」
祐斗の父親は外交官。三歳年上の拓斗(ﾀｸﾄ)さんも外交官。
それぞれ、ドバイ、アフガニスタンで勤務していた。

「あ、はい…父も母も喜んでいます…早急に帰国して…具体的な挙式披露宴の話がしたいと…」

「そうか…ついでに二人で子供の話もしておいてくれ」

「あ…子供ですか…」

祐斗は徐に私を見る。

私も彼の視線に気づき、顔を向けた。
キスもしたコトがない私達。

突然、子供だと言われ、互いに顔を紅くする。
祐斗は耳まで紅くして、私よりも照れていた。
それでも、何か父に言わないと思い
「あ…頑張ります」
と祐斗は意味深な言葉で返した。

その言葉に私も益々顔を紅くしてしまった。

「頑張ってくれ…祐斗君」
「あ、はい…」

ワインでほろ酔いの父の下世話な言葉に付いていけない。
私は黙って目の前の前菜を口に運んだ。