幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
「何で?」

「奏弥は知らないのか?」

「何を?」
「CAは妊娠したと分かった時点で飛行機に乗務できなくなるんだ」

「そうなの?和寿」

「…マジで知らないのか?奏弥」

同じ白衣姿で眼鏡を掛けた若いドクターが私のベットに歩み寄って来た。
「あ…彼は伊集院和寿(イジュウインカズ)脳外科医」

「伊集院院長のご子息ですか?」
「まぁね。今はワケアリで福岡の東亜に居る」
「・・・」

「俺の個人的な話はおいておけっ、奏弥…それよりも草壁さん…カラダに大きな負担を掛けて君は流産しかけた。多分、奏弥がそばで処置してなかったら、無理だったと思うよ。救われた命だ。大切しないと」

「そう言う話なら、俺はキチンと話をするよ」

「ま、槇村先生!?」

槇村先生はICUを出て行った。

「どんな理由があって、槇村先生に口止めを頼んだのかは知らないけど…」

「すいません」

私は伊集院先生に謝罪した。
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