幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
四人での会食を終え、両親とロビーで別れて、私達は一階のカフェテラスで海を眺め、コーヒーとケーキを食べながら今後の話をした。

「・・・結は俺との結婚に文句あるのか?」

「アリアリよ・・・大体私達…付き合ってもないでしょ?どうしていきなり結婚なのよ」

「・・・ドバイに居る母さんの具合が良くないんだ…」

「えっ?」

「・・・兄貴が勤務していたアフガニスタン大使館は閉鎖され、他国の領事館へと引っ越した。また、引っ越すかもしれないと言っていた。そんな兄貴は当面結婚する意志はないと思う。俺だけでも早く結婚して…孫の顔でも見せてやれたらと・・・思ってさ…」


祐斗は硝子の向こうに見える東京湾に目を遣った。

海の遥か彼方のドバイに居る病床の母に想いを馳せるように遠くを見ていた。


「・・・いや、でも・・・そもそも…祐斗は私とデキるの?」

「何を??」


「何って…その・・・」

私に言わせる気?

恥ずかしくて言葉にはできなかった。

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