幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
我が子と共に
『東亜医科大付属病院汐留分室』
今日は定期検診。
赤ちゃんは順調だけど、母体側の私の黄疸と乏尿の症状に由夢先生は心配した。血液検査の結果待ちで、待合ソファに座っていた。
血液検査の結果が出たのか、もう一度その検査結果を訊く為に、診察室に入った。。
由夢先生と隣の一診の診察室で診察していた槇村先生が私を待っていた。
「草壁さん、血液検査の結果だけど。率直に言って、今から入院手続きを取って下さい」
「!?」
私は槇村先生の言葉に頭の中が真っ白になった。
「赤ちゃんに何か重篤な症状が」
「赤ちゃんには今の所問題ないけど。貴方の血液検査の結果、ALT、AST(肝逸脱酵素)の軽微な上昇が見られ、DICの兆候が見られます。このままにしておくと肝機能不全、腎不全と起こして、母子と共に命が危ぶまれます」
母子と共に命が危ない。
言葉は喉に引っかかって出て来ない。
今まで、問題なく順調だった妊娠経過。
後少しで、私と祐斗は赤ちゃんに会えると楽しみに待っていたのに。
「今は大丈夫だから。草壁さん、検査入院だと思って」
由夢先生が槇村先生の言葉に大きなショックを受ける私に声を掛けてくれた。