幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
エピローグ*飛行機雲
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私と凪斗は退院した。

私の猛撃もあり、父は祐斗の本社に転属させる話を白紙に戻す。

私の長期入院が尾を引き、自宅マンションで親子三人で過ごした時間は一週間だった。祐斗の八週間の育休はあっという間に終了した。

祐斗の出社の後はお母様が手伝いに来る予定。

「じゃ俺は行くぞ」

育休を経て、祐斗は今日復帰する。

祐斗は白いパイロットシャツに肩章のゴールドの三本線が輝かせ、下は濃紺のスラックスに頭に制帽を被る副操縦士の服装。

久しぶりに見る祐斗のパイロット姿。

「あ…皆の差し入れ持ってる?」

「持ってるよ」

祐斗は差し入れに購入したショコラ専門店『ジュテーム』のショコラセットの入った紙袋を見せる。

「忘れてないわね」

「じゃ凪斗…パパは行って来るよ」


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