幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

私が入社した当時はCAに男性採用枠はなかった。
でも、今の時代はダイバーシティ&インクルージョン。
多様性を互いに受容し合う。
そんな時代が来ていた。

我が社も時代に流れに沿い、三年前からCAに男性の採用枠を設けた。
でも、CAは女の園。なかなか…男性CAはやり辛いんだろうか…
次々と退職して行った。
こうして、残る男性CAの古村君は貴重な存在。
入社二年目の彼は一ヵ月間の国際線移行訓練を始めたトコ。
国際線デビューもそう遠くはない。
「まぁー・・・草壁さんじゃ仕方がないかな…」

「古村…」

古村君の背後から迫る人影に驚く。

「あ・・・草壁さん・・・」

「結はスタンバイか・・・」

「え、あ…はい…」

私の婚約者となった祐斗。私を名前を呼び捨てる。
オフィスでは公認の仲になったけど、どうも私は周囲の目を気にしてしまう。

逆に祐斗は今まで私とオフィスでは話をしなかったクセに、結婚すると決まったら、率先して話し掛けて来る。

一体に何なのよ！？