幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

「朝比奈さん！！」

「んっ？」

チーフCAの坂上さんが私を呼んだ。

私も坂上さんに呼ばれ、祐斗達のブリーフィングに加わった。

人数合わせで足りなかったようで急遽私もメンバーに抜擢された。

目の前に座る祐斗は嬉しそうに一人で含み笑いを浮かべていた。
私とのフライトが実現して、嬉しかったよう。
「婚約者と一緒だからって…最近…たるんでるぞ…草壁」
と隣に座る水瀬さんが祐斗の頬を抓った。

「俺は別に…」

「仕事だからな…ハネムーンじゃないぞ…」

「分かってますよ…水瀬キャプテン…」

行き先は沖縄。

「本日は低気圧の関係で空港上空に積雲が発生しています。離陸経路に雲がかかる場合は揺れが予想されます。交通量の多い時間帯なので、雲を避けるルート変更できませんでした。細心の注意を払い、お客様の対応をお願いします」

機長の水瀬さんに言葉で全員気を引き締めた。

勿論、祐斗の顔も真剣になった。