幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

「朝比奈先輩！？」

私が一番可愛がっている後輩のCAの有藤璃々(ｱﾘﾄｳﾘﾘ)が私に声を掛けて来た。

「有藤さん…」

有藤さんが足を止めると他のCA達も足を止めた。そして、軽く雑談する。

「おいおい…邪魔になってるぞ…君達…」
「・・・」
水瀬さんはやんわりと騒ぐ私達を窘める。
CAに続き、機長の水瀬凜太朗(ﾐﾅｾﾘﾝﾀﾛｳ）さんと私の同期のコーパイ・副操縦士の草壁祐斗(ｸｻｶﾍﾞﾕｳﾄ）が居た。

彼は自社の養成パイロット試験に合格してアメリカで研修を受け、パイロットになった私の同期で実は幼なじみ。幼なじみと言っても、彼の方が二歳年上。幼なじみの関係は皆には内緒。
ダークブラウンの髪をキレイしに短めのツーブロックヘアに仕上げ、顔立ちは元モデルの母親似の端正な顔立ち、黒く凛とした切れ長の瞳に形の良い唇は非常にセクシー。
幼い時は私よりもチビで虫を見ただけで泣いていた臆病な男の子だったけど。
今では立派なイケメン男性に成長していた。幼なじみの私ですら目が釘付けになる。
入社当時から何かと女性陣に注目されていた。

彼自身はクールで自分を見て騒ぐ女性陣に辟易していた。
騒ぐ私達を見る目も冷たい。終始黙って見るだけ。

「じゃまた…朝比奈さん」

「はい」