幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
祐斗が私を部屋まで送ろうと一緒にエレベーターホールに向かう。

「別にいいのに…」

「・・・俺が部屋に入っている間…宇佐美社長と何話していたんだ?」

「別に…」

「別にってコトないだろ?部屋に入って来た時…結の顔が赤くなっていた」

「それは…」

私の機微を少しも見逃さない祐斗の観察力に戸惑った。

「口説かれたのか?」

「まさか…宇佐美社長には奥さんと子供が居るでしょ?祐斗との馴れ初めを訊かれただけよ…」

「馴れ初め?あ…そう…」

私達はエレベーターに乗り込んだ。

「でも・・・俺以外の男に顔を紅くするなんて…ダメだよ…結」

祐斗は急に私のカラダを抱き締めて来る。

「ダ、ダメよ…祐斗」

「ダメなのはどっち?」

祐斗は甘い煌めきを瞳に宿しながら、私を詰った。

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