幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
唐突な初体験
それから一週間後…
『ジャパンエアホース』本社・社長室。
私と祐斗の二人が父に呼び出された。

「実は今度…我が社の全面バックアップでドラマを作るコトになったんだ…」

「ドラマ?」

私は父の言葉に小首を傾げる。

「主役は今ブレイク中の俳優・有坂ルキ君だ…」

「えっ!?
あのルキ君が…主役…彼の役柄は?」

私は身を乗り出して父に問いかけた。

「あ・・・副操縦士…」

「ルキ君が副操縦士!!?」

「朝比奈社長…その有坂ルキってどんな男ですか?」

「えっ?知らないの?祐斗君」

「はい・・・俺…テレビは観ない主義ですから…」

「そうなの…あ…これがドラマのシナリオだ…タイトルは『ラブフライト』…副操縦士とCAの社内恋愛のラブストーリーらしい…原作は確か…漫画みたいだよ…」

「その漫画…私読んでます…」

「そっか…なら、結…話が早いな…今度…ルキ君が役作りの一環で我が社自慢の訓練施設『ホースワン』の見学に来るから…案内役をお願いしたい…勿論…祐斗君にもお願いしたい…二人のフライトスケジュールとルキ君のスケジュールを照らし合わせて日程は決める…仕事には支障ないようにするから安心してくれ」

祐斗はドラマのシナリオをペラペラと捲り、さっと目を通していた。

「分かりました…」

「・・・出来れば…ドラマの参考に二人の馴れ初めを訊かせてあげて欲しい…リアルな『ラブフライト』を…」

「・・・それはお任せ下さい…朝比奈社長」

「頼んだよ…二人共…ウチの宣伝も兼ねてるから…粗相のないようにしてよ…」





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