幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

食事の後は初めて祐斗の部屋にお邪魔した。
彼は空港近くの高級マンションで一人暮らしをしていた。
リビングダイニングは広々していて、カウンターで仕切られた真っ白なキッチンルームも広かった。
一人暮らしにしては勿体ない空間の広がりが気になる。

「本当にここに一人で住んでるの？」

「結婚すれば…結と二人で暮らすコトになる…」
私と二人でも広いかもしれない。
「・・・あ…二人で新たに部屋を借りるんじゃないのね…」

「まぁな…俺…この部屋凄く気に入ってるから…」

「そうなんだ」

「座ってくれ…コーヒー淹れてやるから…」


「ありがとう…」

キッチンルームとは打って変わり、リビングは黒を基調としたシックな雰囲気の内装に家具や調度品が並ぶ。

祐斗の私服の好みと同じ趣があった。

私はソファに腰を下ろして、辺りを見回しながら祐斗の淹れるコーヒーを待った。

「あ…これ…」

ローテーブルにはウエディング雑誌が無造作に置かれていた。

「あ…見ていいよ…結の気に入った場所で挙式披露宴しようぜ」

「私の気に入った場所ではなくて…私達二人が気に入った場所でしましょ…祐斗」

「結…」