幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
祐斗は淹れたてのコーヒーをマグに注ぎ、持って来た。

「ありがとう…祐斗」

彼は私の隣に腰を下ろす。
そして、私の見ていた雑誌のページを覗き見た。

「『ジュテーム東京』か…いいなぁー…友人の挙式で一度行ったコトあるよ…」

「私も…ある…最近リニューアルしたんだって…」

「そうなんだ…第一候補はここにするか?」

「そうね…」

「結…コーヒー飲めよ」

「うん」

私は祐斗に勧められ、コーヒーを一口飲んだ。

「美味しい…」

「・・・『ヘンリーズコーヒー』の新作モカブレンドだ」

「へぇー…」

「結のウエディングドレス姿…早く見たいよ…」

「…じゃ挙式は洋式?」

「初めからそのつもりだけど…」

「そうなんだ…」

「日本古来の神前式もいいかもしれないけど…やっぱり俺は…結に誓いのキスがしたい」

「人前でキスするのは恥ずかしいわ…」

「・・・俺はしたい…君が俺の妻だって他の男に知らしめたい」

「…あのね…祐斗」

「・・・今だって…」

祐斗はマグをローテーブルにそっと置いた。

私もマグをローテーブルに置く。

「俺がしたいコトわかった?」

「目を見れば分かるわよ…キス魔」

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