幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～
「異様な風景だな…」

「…そう？」

「…俳優は人気商売だから…サービス精神も旺盛だな…」

祐斗は嫌な顔をせず写真撮影に応じるルキ君を見て呆れたように言った。

古谷さんはスマートフォンで辺りを撮影していた。

「古谷さん」

「朝比奈さん…何でしょうか？」

「いえ、別に何もないです…」

「…訓練の邪魔をして申し訳ありません…」

「皆…ルキ君が来るのを心待ちしていましたし…大丈夫です。気になさらないで下さい」

「こうして応援してくれるファンの方々に直に触れ合うコトが出来てルキも喜んでいると思います」
「古谷さんはいつからルキ君のマネジャーを務めていらしゃるんですか？」
「彼がギャラクシーに移籍する前からマネジャーを務めてもう三年目に入りました…」

ルキ君は『ギャラクシー』の社長であり元俳優の白石社長の愛人の子。

それが公表され、舞台俳優からドラマに進出。
売れっ子の若手俳優の仲間入りを果たした。

「古谷さんはそんな昔から・・・ルキ君のマネジャーさんだったんですか…」

「はい…」

古谷さんはルキ君をジッと見つめた。

男物のスーツに身を包んでいるが、何処か不思議と同性のような気がした。

「もしかして…古谷さんは？」

「結…写真撮影は終わったようだ…次に行くぞ」

「え、あ…」

祐斗が来て、私は古谷さんに聞きそびれてしまった。
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