幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

「此処が…フルフライトシミュレーター（FFS）だ」

「へぇー…」

「ボーイング８８８のコクピットを完全に再現している…さあっ―俺がデモンストレーションしてやる」

「お願いします…草壁さん」

祐斗は自分のテリトリーになった途端、態度をコロリと変えてルキ君に偉そうに説明を始める。

祐斗はコクピットの座席に深く腰を下ろした。手慣れた感じに幾つものスイッチを操作して、管制塔とのやり取りをリアルに再現した。

祐斗…調子に乗り過ぎと私が半分呆れているとルキ君が目を輝かせた。

「あ…草壁機長…動画撮影していいですか？」

「あ…いいけど…」

ルキ君は自分のスマートフォンで動画撮影を始める。

「最初からお願いします！草壁機長」

「俺はまだ・・・副操縦士で…まぁ―・・・最初からするよ…ルキ」