幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
私は水瀬機長と坂上チーフを二人にして喧嘩していないか心配だった。

しきりに後ろを振り返り『千代ちゃん』の色褪せた赤い暖簾を見つめる。

「二人のコトが気になるか?」

「だって…喧嘩してたら、どうするの?祐斗。二人は犬猿の仲ですよ…仕事以外で顔を合わせると喧嘩ばかりしてるじゃないの」

「仕事の上では二人共凄く息が合ってる。
喧嘩ばかりしてるのも…裏を返せば、仲がいい証拠かもしれない」

「あ…そっか」

喧嘩するほど、仲がいい。

私は祐斗の言葉になるほどと頷いた。

「だろっ?」

「確かに」

「意外と二人にすれば、喧嘩しないかもしれない」

私と祐斗は我が社のビックカップルの誕生に期待した。

< 94 / 196 >

この作品をシェア

pagetop