幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
祐斗は真剣な眼差しで、一文字一文字丁寧に婚姻届に住所や名前を書き込んでいく。

「緊張するな…」

「見ててわかる…祐斗の手震えてるよ」

「結にも分かるか…」

親元から独立して新たな家族を作る。それが結婚。世帯主として祐斗は家族を守る義務や責任の重さを担う。私も妻としてそんな彼を支えていく。

「次は結だ」

「うん…捺印は明日でもいいよね」

「いいよ…」

私も祐斗と同じく一文字一文字丁寧に書き込んだ。

「これで草壁結か」
「区役所に提出するまで朝比奈結よ」

「分かってる…」

「今夜は泊まっていけよ…」

「・・・」

全てを書き終えた私に彼は優しく囁いた。


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