社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***

 くるみが風呂に入っている間、実篤(さねあつ)はソワソワと落ち着かない。

(着替えに俺のシャツを借りたいって言うてきたっちゅうことは、きっとくるみちゃん、風呂上がりはバニーちゃんじゃないんじゃろうのぉ)

 そう思うと、それを脱がすことが出来なかったことをちょっぴり残念に思って。

 でも、付き合い始めて初っ端の性行為で未知の服装というのはかなりハードルが高いよな?とすぐさま考え直した。

(くるみちゃん、もしかして俺に気ぃ(つこ)うてくれたんかなぁ)

 自分がモタモタしていたから、「お風呂」と提案することで、くるみが事を運びやすくしてくれた気がした実篤だ。

(ホンマ俺、初めての子にどこまで手ぇ焼いてもらえばシャキッと出来るんよ。さすがに情けなさすぎじゃろ!)

 と反省しきり。

 実篤は、お互いにシャワーを浴びて、いざもう一度!となった時こそは俺がしっかりリードするけん!と決意して。

「あぁぁ……ほいじゃけどなぁ〜」

 舌の根も乾かぬうちに思わず声に出してつぶやいて、吐息を落として眉根を寄せた。
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