社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***

「あ、はぁっ、ぁぁぁっ」

 実篤(さねあつ)が〝動く〟ことを承諾したくるみだったけれど。

 実篤が腰を引いたと同時に自分の膣内(なか)が、〝彼〟を離したくないみたいにキューッと狭まって……それが中に入っていたものの質感をやけにくっきりと感じさせるから、どうしていいか分からなくなる。

 なのにその戸惑いも消えないうちに今度はさっきまでよりもっともっと深いところまでゆっくりと穿(うが)たれて、意識が一瞬で圧迫感と苦しさに占拠されてしまう。

 最初は異物感が苦しいだけだったのに、実篤に優しく中を擦られているうちに、何だかよく分からないムズムズした感じがしてきて。

「あっ、しょこ、やぁっ……」

 それが怖くて思わず上にずり上がって逃げたくなる。

 なのにすでに頭はベッドの宮棚辺りにあって、これ以上は上に上がれなくて。

「頭、打ったり、してない(しちょらん)?」

 それに気付いた実篤が、くるみの腰をグッと引いて身体の位置を下にずらしてくれる。

「んっ」

 でもそのせいで、より深く実篤を感じてしまって、思わず声が漏れたくるみだ。

「くるみちゃん、の可愛い、声っ、俺にもっと聞、かして?」

 実篤は、あくまでもゆっくりゆっくりと動いてくれている。

 めちゃくちゃ運動している訳ではないはずなのに、途切れ途切れに紡がれる言葉が、見た目以上に彼を消耗させているのを感じさせて。

 そのセーブが、自分のためだと分かるから、くるみはキュンとさせられてしまう。
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