社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
「お兄ちゃん、インフルでクリスマスのあたり寝込んじょったんて?」
鏡花が、実家に戻ってくるなり憐れんだ目で実篤を見つめてきた。
「言うな」
はぁ〜っと大きく吐息を落とすと、情けなさに泣きたくなった実篤だ。
「ちょっと前に電話で話した時、嬉しげに彼女出来たって言いよったじゃん? 彼女、凄い悲しんだじゃろ」
この妹はどこまで傷口に塩を塗り込んでくるつもりなんよ!と思ってしまったけれど、事実なので反論のしようがない。
しかも……。
まだ鏡花には言えていないけれど、その〝彼女〟は鏡花の友人でもあるわけで。
(くるみちゃんに愚痴られたらアウトじゃしな)
くるみはそんな子ではないと分かっていても、ドタキャンの後ろめたさが思考回路を悪い方へ引っ張ってしまう。
「それで治ってからちゃんと埋め合わせはしたんじゃろうね?」
心配そうに下から顔を見上げられて、実篤は思わず「え?」とつぶやいていた。
「もしかしてしちょらんの⁉︎」
間近で素っ頓狂な声を上げられた実篤は耳を押さえて思わず後ずさった。
「お兄ちゃん、インフルでクリスマスのあたり寝込んじょったんて?」
鏡花が、実家に戻ってくるなり憐れんだ目で実篤を見つめてきた。
「言うな」
はぁ〜っと大きく吐息を落とすと、情けなさに泣きたくなった実篤だ。
「ちょっと前に電話で話した時、嬉しげに彼女出来たって言いよったじゃん? 彼女、凄い悲しんだじゃろ」
この妹はどこまで傷口に塩を塗り込んでくるつもりなんよ!と思ってしまったけれど、事実なので反論のしようがない。
しかも……。
まだ鏡花には言えていないけれど、その〝彼女〟は鏡花の友人でもあるわけで。
(くるみちゃんに愚痴られたらアウトじゃしな)
くるみはそんな子ではないと分かっていても、ドタキャンの後ろめたさが思考回路を悪い方へ引っ張ってしまう。
「それで治ってからちゃんと埋め合わせはしたんじゃろうね?」
心配そうに下から顔を見上げられて、実篤は思わず「え?」とつぶやいていた。
「もしかしてしちょらんの⁉︎」
間近で素っ頓狂な声を上げられた実篤は耳を押さえて思わず後ずさった。