社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
6-2.年末年始ハプニング②
***
鏡花の勤め先の大手都市銀行の年末年始の休みは二九日からだったけれど、それでは二八日にある同窓会に間に合わない。
ちょうど有給休暇もほとんど使えていなかったのもあって、鏡花は遠方の実家への帰省を理由に、今年は皆より大分早めの二六日から休暇をもらった。
幸い鏡花の勤める銀行は福利厚生面も、人間関係も良好だったから。
鏡花の少し長めの年末年始の休暇について、誰からも不満の声は上がらなかった。
そんなわけで、鏡花は早速のように二六日の昼過ぎには実家にたどり着いていたわけだけど――。
「八雲兄が帰ってくる前に彼女の写真、私に見してみんちゃい」
家族全員への情報提供者としては、他のメンバーよりちょっとでもたくさん情報が欲しいところ。
そう思った鏡花だったのだけれど。
「写真なんか見せんでもお前はよく知っちょる子じゃけぇ」
「えっ。ちょっと待って? 何それ。どう言う意味なん?」
「じゃけ、まんまそう言う意味じゃって」
煮え切らない兄の態度に、鏡花はモヤモヤが募る。
鏡花の勤め先の大手都市銀行の年末年始の休みは二九日からだったけれど、それでは二八日にある同窓会に間に合わない。
ちょうど有給休暇もほとんど使えていなかったのもあって、鏡花は遠方の実家への帰省を理由に、今年は皆より大分早めの二六日から休暇をもらった。
幸い鏡花の勤める銀行は福利厚生面も、人間関係も良好だったから。
鏡花の少し長めの年末年始の休暇について、誰からも不満の声は上がらなかった。
そんなわけで、鏡花は早速のように二六日の昼過ぎには実家にたどり着いていたわけだけど――。
「八雲兄が帰ってくる前に彼女の写真、私に見してみんちゃい」
家族全員への情報提供者としては、他のメンバーよりちょっとでもたくさん情報が欲しいところ。
そう思った鏡花だったのだけれど。
「写真なんか見せんでもお前はよく知っちょる子じゃけぇ」
「えっ。ちょっと待って? 何それ。どう言う意味なん?」
「じゃけ、まんまそう言う意味じゃって」
煮え切らない兄の態度に、鏡花はモヤモヤが募る。